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キモヲタ☆ノーガード! #9

 8月12日、月曜日。
 異性を好きになるという、気持ち。
 大切に思う、気持ち。
 愛しさと切なさと心強さと。
 …否、心強くは無い。むしろ、心細い。今まで全力で恋愛を
拒んで来たのだから、正直どうしたら良いか解らない。
 俺は「学生で居るうちは恋愛しない」と決めていた。
 責任が取れないからである。
 しかし、実のところ、恋愛したいと思えるほど異性に本気で
惚れたことが無い、というのが実情だった。幼稚園時代、近所
の小学生女子グループから酷いイジメを受けて以来、俺は最初
の大学に入るまで女性恐怖症を引きずっていた。それから段々
改善してきて、今では女友達と言える人間が割と居る程度には
心の傷が癒えて来ているが、恋愛となるとどうしても猜疑心や
恐れの方が大きかった。家族を安心させるため、一族の将来を
担うため、俺に取って結婚は使命でもあったが、それが却って
プレッシャーとなり、そこから逃げていた面もあった。
 だが、遂に俺は本気で好きだと思える相手に出逢ったのだ。
 残念ながらロングではない。俺が愛する日本語という美しい
言語も全然出来ないし、今後の学習でどこまで正しく日本語を
理解し、綺麗に使えるようになるのか甚だ疑問である。それに
まだまだ彼女について知らない部分が多すぎる。
 しかし俺は、彼女の声、仕草、表情、言葉の端々から感じる
性格や心の在り方、彼女の置かれた状況とそれに対する姿勢、
数多くの俺との共通点、そうしたひとつひとつの要素に加え、
彼女から感じる綺麗なカスタードクリーム色のオーラを非常に
深く敬愛するようになっていたのだ。
 コミケ3日目、俺に取っては今回一番ガチになる戦いの日。
 友人達の多大な助けもあり、俺は個人的勝利の栄光を掴んで
凱旋することが出来たが、流石に疲労困憊の満身創痍だった。
 帰宅、食事して身体を洗った後、さすがに喋る気力が完全に
失せていた俺はマリサに「おやすみ」とだけ言って、かつては
通路だった俺の空間に閉じこもった。
 暫くして、マリサが俺にメッセージを送って来た。
 「おやすみ、お兄ちゃん。明日もし時間あったら、また色々
お話しようよ」
 心が安らいだような気がした。
 その時、気が付けばアストラル界からあずさが現れていた。
 「あらあら。そろそろ、私もお役御免ですね〜」
 「…そんな寂しいこと言うなよ」
 「いいえ、これで良いんですよ。少なくとも、あなたの中に
居る私は、守護霊となれる日をずっと待っていたのですから」
 「まだ、そうと決まったわけではない」
 「でも、あなたの気持ちはもう定まっているのでは?」
 「それは俺の気持ちだ。相手がどうなのか、まだ解らない」
 「いいえ、もう解っていますよ」
 「…それは憶測というものだよ」
 「どちらにせよ、もう答えは目の前にあるのですから。勇気
を出して下さい」
 「…どのような結果になったとしても、君への感謝は決して
忘れないよ。これだけは覚えていて欲しい」
 「感謝したいのは私の方ですよ」
 あずさはそう言って、最初に出逢ったあの日の笑顔のまま、
再びアストラル界へと消えて行った。
 直後、俺の意識は泥のような眠りに沈んだ。
チャンプ(−O−) * キモヲタ☆ノーガード! * 23:57 * comments(2) * trackbacks(0)

コメント

>SUMS殿
まぁその、アレです。現時点では、
フィクションかノンフィクションか解りませんよ?w
・・・ってことにしといて下さい☆

応援ありがとうですー♪
Comment by チャンプ(−O−) @ 2013/08/21 10:43 AM
だいぶ盛り上がってきましたね!
勉強も恋愛も頑張ってください!
Comment by SUMS @ 2013/08/21 12:27 AM
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